最新の頚椎手術 その2
掲載日 : 2025/08/25
頚椎手術は本当に安全?最新の医療技術で変わる患者さんの未来
~脊椎手術専門病院が伝える安心材料~
はじめに
「首の手術を勧められたけれど、不安で仕方がない」
「頚椎の手術は危険と聞いたことがある」
患者さんやご家族から、このような声を耳にすることは少なくありません。頚椎は脊髄や神経が集中する大切な部位であるため、「手術=怖い」「リスクが高い」 というイメージを持たれるのも自然なことです。
一方で、医療技術の進歩により手術方法や周術期管理は改善されてきました。本コラムでは、患者さんが感じやすい不安と、現在行われている取り組みについて解説します。
患者さんが抱きやすい「頚椎手術の不安」
頚椎手術を検討する際、多くの方が次のような心配をされます。
•手術中に神経を傷つけてしまうのではないか
•後遺症や麻痺が残るのではないか
•手術を受けても症状が改善しないのではないか
•入院期間が長く、仕事や生活に戻れないのではないか
こうした不安を事前に整理し、医師としっかり相談することが、安心して治療を受ける第一歩となります。
技術の進歩による安全性への取り組み
頚椎手術はここ10年ほどで大きく進歩してきました。代表的なものは以下のような取り組みです。
1.術中ナビゲーションとモニタリング
•3Dナビゲーションや術中Oアームを使用し、正確な位置を確認しながら進める手術が増えています。
•神経モニタリングにより脊髄や神経の状態を確認でき、異常があれば早期に対応が可能です。
2.低侵襲手術の普及
•顕微鏡や内視鏡を用いた方法では、切開や筋肉への負担を減らす工夫がされています。
•これにより出血量や回復への影響が従来よりも軽減されるケースが報告されています。
3.人工椎間板置換術という選択肢
•固定術だけでなく、椎間板の動きを保つ「人工椎間板置換術」が導入され、選択肢が広がっています。
•適応は年齢や生活スタイルによって異なるため、医師との相談が必要です。
入院から退院までのおおまかな流れ
手術がどのように進むのかを知ることは、不安を和らげる一助となります。
1.入院(手術前日〜当日)
検査や麻酔科診察を行い、体調を確認します。
2.手術当日
脊椎専用の機器を使用して手術を実施します。
3.術後管理
神経や全身状態を丁寧にモニタリングします。
4.リハビリ開始
状態に応じて早期から歩行練習を始める場合があります。
5.術後画像検査と退院
レントゲンやCT、MRIで確認し、問題がなければ退院となります。
※入院日数は術式や症状によって異なります。
専門施設を選ぶことの意義
頚椎手術の安全性を高めるには、医師の経験・チーム体制・設備 が重要とされています。
脊椎を専門とする病院や診療科では、
•脊椎外科を専門とする医師が複数在籍
•専用の手術機器を導入
•術前から術後リハビリまで一貫したサポート体制
といった取り組みがなされている場合があります。病院を選ぶ際には、公式ホームページや学会認定情報を確認することが安心につながります。
まとめ
頚椎手術は「危険な最後の手段」というイメージを持たれがちですが、実際には医療技術の進歩により、以前に比べて安全性を高める工夫が広がっています。
•不安が多いからこそ、医師に相談し納得したうえで治療法を選ぶことが大切
•低侵襲手術や人工椎間板置換術など、患者さんに合わせた選択肢がある
•専門施設では、経験豊富な医師と体制のもとで診療が行われている
首の痛みやしびれでお困りの方は、まずは整形外科や脊椎を専門とする医師にご相談ください。当院でも一人ひとりの状態に合わせて、検査・説明・治療のご提案を行っています。