頚部脊柱管狭窄症
掲載日 : 2025/11/14
頚部脊柱管狭窄症|首のしびれ・歩行障害の原因と手術治療【品川志匠会病院】
■ 頚部脊柱管狭窄症とは
頚部脊柱管狭窄症(けいぶせきちゅうかんきょうさくしょう)は、首の中を通る神経(脊髄)の通り道である「脊柱管」が、加齢などにより狭くなって神経を圧迫し、手足のしびれや力の入りにくさ、歩行障害を引き起こす病気です。
原因の多くは、椎間板の変性、骨の変形(骨棘形成)、靭帯の肥厚など、年齢とともに進む変化によるものです。
首の神経は全身へつながるため、頚部脊柱管狭窄症が進行すると、手足の動かしづらさや感覚障害、排尿・排便異常など全身に影響を及ぼすことがあります。
■ 主な症状
頚部脊柱管狭窄症の症状は、首だけでなく上肢や下肢にも現れます。
- 首や肩のこり、痛み
- 手のしびれ、細かい動作のしにくさ(ボタンが留めにくい、箸が使いにくい)
- 足のもつれ、歩行時のふらつき
- 力が入りにくく、物を落としやすい
- 排尿・排便の異常(重度の場合)
初期症状は軽いしびれや違和感程度のことも多く、早期診断・早期治療が非常に重要です。
■ 診断方法
品川志匠会病院では、MRI・CT・X線検査を組み合わせ、神経の圧迫部位や狭窄の範囲を正確に評価します。
必要に応じて、神経伝導検査や全身的な神経評価も行い、手術が必要かどうかを慎重に判断します。
■ 保存療法(手術を行わない治療)
軽症の場合には、まず保存療法を行います。
- 消炎鎮痛薬や神経障害性疼痛薬による薬物治療
- 牽引療法、温熱療法、理学療法によるリハビリ
- 姿勢や生活習慣の改善
しかし、しびれや歩行障害が進行する場合、または保存療法で効果が乏しい場合には手術が検討されます。
■ 手術が検討されるケース
- しびれ・筋力低下・歩行障害が進行している
- 手指の細かい動作ができなくなってきた
- 保存療法で改善しない
- 神経症状により日常生活が制限されている
頚部脊柱管狭窄症の手術は、圧迫された脊髄を安全に解放し、神経の回復を促すことが目的です。
■ 頚部脊柱管狭窄症の主な手術方法
品川志匠会病院では、症状や画像所見に応じて以下の術式を選択しています。
いずれも、顕微鏡やナビゲーションを用いた低侵襲(身体への負担が少ない)手術を重視しています。
- 頚椎椎弓形成術(けいついついきゅうけいせいじゅつ)
首の後ろからアプローチし、脊柱管を広げて脊髄の圧迫を取り除く方法です。
多椎間に及ぶ狭窄症に適応される、最も一般的な術式です。
- 前方除圧固定術(ACDF)
首の前方から進入し、圧迫している椎間板や骨を除去して神経の通り道を確保します。
人工骨やプレートを用いて安定性を保ちます。
- 頚椎後方固定術
首の後方から進入しスクリューとロッドにて固定します前方固定術と併用することが多く狭窄が大きく椎間関節を切除しなければならない場合や首の曲がり方が悪い場合に行います。場合によっては頚椎前方固定術を同時に行うこともあります。
■ 手術後の経過とリハビリ
手術後は翌日~数日で歩行を開始できるケースが多く、入院期間はおおよそ1〜2週間前後です。
しびれや筋力低下は、術後数週間〜2年程かけて徐々に改善していきます。(実感では神経の回復は2年位まで回復する傾向にあります)
当院では、術後のリハビリ体制も整えており、再発予防のための姿勢・運動指導も行っています。
■ 品川志匠会病院の特長
品川志匠会病院は、脊椎・脊髄疾患の専門治療に特化した脊椎手術専門病院です。
年間多数の頚椎・腰椎手術を行い、全国から患者様が来院されています。
- 日本整形外科学会認定「脊椎脊髄病医」「脊椎外科指導医」が常勤
- 顕微鏡・ナビゲーション・モニタリングなど最新設備を導入
- 症状に合わせ低侵襲・高精度・高難度・多椎間固定など様々な手術を実施
- 術後フォローアップ・リハビリ体制も充実
私たちは、**「痛みやしびれに悩む方が再び安心して生活できること」**を目指し、患者様一人ひとりに最適な治療を提供しています。
■ まとめ
頚部脊柱管狭窄症は、放置すると手足のしびれや歩行障害が進行し、回復が難しくなることがあります。
早期診断・早期治療により、症状の改善と生活の質(QOL)向上が期待できます。
首や腕、足のしびれでお悩みの方は、
脊椎手術専門の「品川志匠会病院」へご相談ください。
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