コラム

椎間板ヘルニア その2

掲載日 : 2025/08/12

椎間板ヘルニアとは?症状・原因・治療法・手術・予防まで徹底解説

はじめに◆

「腰が痛い」「足がしびれる」そんな症状で病院を受診したら、(腰椎)椎間板ヘルニアと診断された。
あるいは「ただの腰痛だろう」と放置している方もいるかもしれません。

椎間板ヘルニアは、放置すると日常生活だけでなく、将来的な健康にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
今回は脊椎手術専門病院での症状・原因・治療法・手術・予防方法を詳しく解説します。

 

 1.椎間板ヘルニアとは

1-1. 椎間板の役割

椎間板は、背骨(椎骨)と椎骨の間にあるクッションのような組織で、衝撃を吸収し背骨の動きをスムーズにします。

1-2. ヘルニアの発生メカニズム

椎間板の中央にはゼリー状の「髄核」があり、その周囲を「線維輪」という硬い組織が囲んでいます。
加齢や外傷、繰り返しの負担により線維輪が損傷し、髄核が外へ飛び出すことで神経を圧迫。これが椎間板ヘルニアです。

 

  1. 主な症状

2-1. 腰椎椎間板ヘルニア

  • 腰痛(動作時・安静時)
  • お尻や太もも・ふくらはぎのしびれ
  • 足の力が入りにくい
  • 坐骨神経痛のような鋭い痛み

2-2. 頚椎椎間板ヘルニア

  • 首・肩・腕の痛み
  • 手や指のしびれ
  • 握力低下
  • 重症化すると歩行障害や排尿障害

2-3. 重症化のサイン

  • 排尿・排便のコントロールが困難
  • 急激な上下肢の筋力低下
    この場合は緊急手術が必要なケースがあります。

 

  1. 椎間板ヘルニアの原因

3-1. 加齢による変性

年齢とともに椎間板の水分量が減少し、弾力性が低下します。

3-2. 姿勢の悪さ

長時間のデスクワーク、猫背、スマホ首(ストレートネック)などが腰椎・頚椎に負担をかけます。

3-3. 急な動作や重量物

重い荷物を中腰で持ち上げる、スポーツ中の衝撃など。

3-4. 遺伝的要因や生活習慣

家族歴や喫煙、運動不足も発症リスクを高めます。

  1. 診断方法

4-1. 問診・視診・触診

症状の経過、発症のきっかけ、生活習慣を詳しく確認します。

4-2. 画像診断

  • MRI:神経圧迫の有無や椎間板の状態を詳細に確認
  • CT:骨の変形や石灰化を評価
  • X線(レントゲン):骨の配列や可動性をチェック
  • 4-3. 神経学的検査

反射テストや筋力テストで神経障害の程度を評価します。

 

  1. 治療法

5-1. 保存療法(まずはここから)

  • 薬物療法(NSAIDs、筋弛緩薬)
  • 神経ブロック注射
  • 温熱療法・牽引療法
  • リハビリ(体幹筋トレーニング、ストレッチ)

78割の患者は保存療法で改善します。

5-2. 手術療法(保存療法で改善しない場合)

  • 顕微鏡下椎間板摘出術(MD法)
    傷が小さく、術後の回復が早い
  • 内視鏡下椎間板摘出術(MEDPELD
    さらに低侵襲で日帰りも可能
  • 人工椎間板置換術
    動きを保ちながら痛みを除去
  • 固定術
    不安定な椎間の安定化を図る

 

  1. 手術後の回復とリハビリ

術後は早期離床が推奨され、体幹筋強化や姿勢改善のリハビリを行います。
回復期間は術式や個人差によりますが、低侵襲手術では12週間で日常生活復帰も可能です。

 

  1. 再発予防のポイント
  • 正しい姿勢の維持
  • 体幹筋トレーニング
  • 適度な有酸素運動(ウォーキング、スイミング)
  • 重量物の持ち上げ方の工夫
  • 禁煙と適正体重の維持

 

  1. 脊椎手術専門病院を選ぶメリット
  • 年間手術件数が多く経験豊富な医師
  • 最新の低侵襲手術機器
  • 保存療法から手術、リハビリまで一貫対応
  • 合併症対策や術後フォロー体制の充実

◆まとめ◆

椎間板ヘルニアは、正しい診断と早期治療で大きく改善する可能性があります。
「腰痛くらいで」と放置せず、まずは脊椎手術専門病院での相談をおすすめします。
あなたの未来の健康は、今の一歩から守ることができます。