頚椎症 その2
掲載日 : 2025/08/22
頚椎症とは?症状・原因・診断・治療・予防まで解説
はじめに
「最近、首や肩がこる」「手がしびれる」「細かい作業がしにくい」――そんな症状を感じていませんか?
もしかすると、それは**頚椎症(けいついしょう)**のサインかもしれません。
頚椎症は、首の骨(頚椎)や椎間板の変性によって神経や脊髄が圧迫され、痛みやしびれ、運動障害を引き起こす病気です。
放置すれば進行し、日常生活や仕事に大きな支障をきたす可能性があります。
本記事では、症状・原因・診断・治療法・予防法までの情報をお届けします。
1.頚椎症とは
1-1. 頚椎の構造
頚椎は7つの骨(C1〜C7)から成り、頭部を支えながら上下左右の動きを可能にします。椎骨と椎骨の間には椎間板があり、クッションの役割を果たしています。
1-2. 頚椎症の種類
•頚椎症性神経根症:腕や手に向かう神経根が圧迫され、痛みやしびれが生じます。
•頚椎症性脊髄症:脊髄自体が圧迫され、手足のしびれや運動障害、歩行障害が起こります。
2.主な症状
2-1. 初期症状
•首・肩のこりや痛み
•動作時の首の違和感
•手や指先の軽いしびれ
2-2. 進行した場合の症状
•握力低下、箸やペンの操作が難しくなる
•ボタンが留めにくいなどの巧緻運動障害
•足のもつれ、歩行時のふらつき
•下肢のしびれやこわばり
2-3. 重症化のサイン
•排尿・排便障害
•急激な筋力低下
これらは脊髄症の進行サインで、早急な手術が必要な場合があります。
3.原因と発症のメカニズム
3-1. 加齢による変性
加齢とともに椎間板の水分が減少し、弾力性が低下。骨や靭帯が変形し、神経や脊髄を圧迫します。
3-2. 姿勢の悪さ
スマホやパソコン作業でのストレートネック、猫背が発症リスクを高めます。
3-3. 外傷や繰り返しの負担
交通事故やスポーツでの衝撃、重量物の持ち上げなどが頚椎にダメージを与えます。
3-4. 生活習慣
喫煙、運動不足、肥満も頚椎症のリスク因子です。
4.診断方法
4-1. 問診・身体診察
症状の経過、発症のきっかけ、生活習慣、職業などを確認します。
握力や歩行のチェック、神経学的検査で障害の範囲を把握します。
4-2. 画像検査
•MRI検査:神経や脊髄の圧迫状態を詳細に評価
•CT検査:骨の変形や骨棘(こつきょく)の有無を確認
•X線検査:頚椎の配列や可動域をチェック
4-3. 血液検査
他疾患(感染症や炎症性疾患)との鑑別に有用です。
5.治療法
5-1. 保存療法(軽症〜中等症)
•薬物療法(消炎鎮痛薬、神経修復を助けるビタミンB12)
•神経ブロック注射
•温熱療法・牽引療法
•リハビリテーション(姿勢矯正、頚椎周囲筋の強化)
5-2. 手術療法(保存療法で改善しない場合・重症例)
•前方除圧固定術:圧迫部位を除去し骨を固定
•椎弓形成術:脊髄の通り道を広げて圧迫を解除
•人工椎間板置換術:可動性を保ちながら圧迫を取り除く
品川志匠会病院では、MRI所見や症状、生活背景を考慮して最適な術式を選択します。
6.手術後の回復とリハビリ
術後は早期離床が推奨され、首や肩の可動域訓練、体幹筋トレーニングを行います。
低侵襲手術の場合は1〜2週間で日常生活に復帰できるケースも多く、社会復帰もスムーズです。
7.再発・進行予防のポイント
•正しい姿勢を保つ(スマホは目の高さに)
•定期的なストレッチや軽運動
•頚椎や肩甲骨周囲の筋力強化
•禁煙と体重管理
•無理な動作や重量物の持ち上げを避ける
8.脊椎手術専門病院を選ぶメリット
•年間手術件数が多く、経験豊富な医師が診療
•最新の低侵襲手術機器を導入
•保存療法から手術、リハビリまで一貫した対応
•術後フォローと再発予防指導が充実
まとめ
頚椎症は、早期発見・早期治療が何より大切です。
首や肩のこり、手足のしびれ、歩行のふらつきなどを感じたら、迷わず脊椎手術専門病院で診察を受けましょう。
症状の進行を止め、生活の質を守るための第一歩は、早めの受診から始まります。