腰椎分離すべり症について
腰椎変性すべり症とは
腰椎の椎体が前後にすべる疾患です。多くの場合は10代中~後半にスポーツなどで腰の骨が疲労骨折をおこし椎体と椎体が前後にずれることにより脊柱管が狭くなり脊髄が圧迫される疾患です。
症状について
脊髄が圧迫されると腰の痛みだけでなく臀部(おしり)や足・脚の痛みや筋力低下、感覚の鈍化が起こり、酷くなると感覚喪失などが起こり(長時間)歩けなくなったり、排尿障害が起こる事もあります。
治療方法
特に症状が軽い場合は薬やコルセットなどで経過観察する事があります。10代~20代前半では骨折部が再び結合する場合もあり、保存的に経過観察することが多いです。改善がなかったり症状がひどい場合には手術によって脊柱管の狭くなった場所を広くすることがあります。腰椎のすべりが少なかった場合は腰椎除圧術で狭い部分を広げる手術が用いられます。
腰椎のすべりが大きい場合は、すべっている椎体と椎体の間にインプラントを入れすべりを改善し、腰椎固定術を行うことにより脊柱管の走行を整える術式を行うこともあります。いずれにしても全ての症状・病態に対して万能な術式は無いのが現状で、検査をして様々な症状・病態により的確な術式を行う事が必要となります。